月野うさぎはドジでおっちょこちょいで泣き虫の、ちょっと情けない少女である。しかし、彼女は月の守護を持つ愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーンなのだ。 そしてうさぎは現在、女子中学生に人気のアクセサリーショップの倉庫にいた。 決して窃盗が目的ではない。ここのアクセサリーを購入した少女たちがエナジーを吸い取られてしまう事件が多発しており、その調査に来たのである。 「ここが敵のアジトかもしれないもんね。でも、やっぱり怖いかも。何もでませんように……」 最初から半泣きになりながら暗い通路を進むうさぎ。 彼女は天上から自分を見つめる無数の影に気付いていなかった。 「こら、貴様、ここで何をしているのだニャ!」 うさぎの前に音もなく降りたのは半人半猫の怪人。人間の女性体形で二足歩行を行い、盛り上がる筋肉を獣毛で深く覆い隠している。両手には鋭い爪が光り、敵意剥き出しの猫顔が獰猛に歪んだ。床を叩くのは長い尻尾である。 「きゃああああ! 出たあぁ! 妖魔!」 心臓が止まるほど驚いたうさぎだったが、既に逃げ場は無くなっていた。同じ半獣人が背後はもちろん、右左にも降り立って彼女を完全に包囲していたのだ。 ざっとみて妖魔たちは数十匹はおり、あまりに多勢に無勢である。ここは敵のアジトで間違いなさそうだが、完全に罠にかかってしまったのだ。 (こうなったら、変身して戦うしかないわ!) うさぎは決意を新たに変身の呪文を唱える。
「ムーン・プリズムパワー! メイーク・ア―ップ!」
「ニャニャ! この光はいったい!?」 「かまわん、やってしまうニャ!」 半獣人の妖魔たちは四方からうさぎに襲い掛かる。 鋭い鉤爪をぎらりと光らせて、侵入者を切り裂こうというのだ。 妖魔の爪に襲われては、普通の少女などひとたまりもない。柔肌をズタズタに切り裂かれ、血達磨と化してその命を終えてしまうだろう。 しかし、うさぎは違う。彼女はセーラームーンなのだから。 胸の変身ブローチから淡い光が溢れ、うさぎの肉体は虹色に輝いて軽やかに回転した。乳房や腰の括れのラインを魅せながら、背筋を伸ばして爪先で立ち舞う。 美少女戦士セーラームーンに変身しようとしているのだ。しかし、妖魔が易々と戦士への変身を許すはずがなかった。 「きゃああああっ! い、痛いっ!」 綺麗なボディラインを魅せて変身するうさぎの背中に、妖魔の爪が深く突き刺さる。 妖魔たちは変身中の敵に躊躇うことなく攻撃を開始した。鋭い無数の爪に四方八方から肌を深く切り裂かれ、焼けた鉄を当てるような激痛がセーラームーンを襲う。 「うぐうっ! うああっ! ひ、卑怯よ! 変身中なのに!」 たまらず大粒の涙がうさぎの瞳から零れ落ちた。 これまで変身中に襲われたことはなく、思わぬ弱点が露見した形である。聖なる光に包まれる身体から血肉は散らないが、ダメージは戦士の肉体に確実に蓄積されていく。 (は、早く変身を終えないと……このままじゃ、やられちゃう!) ピンクのリボンがうさぎの肉体に絡みついたが、レオタードに変わる前に剥ぎ取られる。リボンの残骸は花びらに変わり、空気中に溶けるように消えていった。 「ああっ……そんなっ! これじゃ戦えない!」 自分の戦闘衣装を見て、悲鳴を上げるセーラームーン。 乳房を守るアーマーも、スカーフやリボンも、レオタードも、半分は綻んで裂けたリボンのまま。妖魔たちと戦うには不十分な戦闘衣だが、妖魔たちの手が緩むことはない。 「ム、ムーン・プリズムパワー! あぐっ! うぐうっ! あああっ!」 戦闘衣装を再構成しようと呪文を唱えて、妖魔の硬い爪に殴られた。美しい顔が殴られて青黒く腫れ、口が切れて血が流れ落ちる。 腕に純白の手袋が装着され、白ライン入りのブーツが足に嵌められる。 しかし、同時に胸を飾るリボンは爪に散らされ、腰のミニスカートは破られていった。 すらりと伸びた手足にも妖魔たちが齧りつく。手袋やブーツは牙に貫通され、肉は引き裂かれて骨が砕かれていく。もう逃げることもできない。 「愛と、正義のセーラー服、美少女戦士セーラー、ムーン……月にかわ……押しぉき…よ」 額にティアラが装備されてキラリと輝き、変身を終えた。 しかし、既に戦う力は残っていない。 妖魔たちは歓声を上げて爪をかけ、柔らかい肉を引き裂き続ける。 「いやあ゙あ゙あ゙っ! やめて…やめてぇ!」 妖魔がセーラームーンの顔に爪を立てて頬を破り、爪を逆さにして鼻腔を抉り、唇を縦に切り裂いた。美少女戦士などと名乗る敵の顔を破壊してやろうというのだ。 抵抗する力は雀の涙ほども残されておらず、セーラームーンはただ顔を蹂躙される恐怖とショックに耐えるしかない。青いスカーフが、顔から流れ落ちる液体で黒く染まる。 「面白いことを思いついたニャ!」 爪を光らせて妖魔たちが凶悪に微笑えんだ。目を付けられたのは、無傷の女性器。男の味を知らない聖域。妖魔の動きを察知して、鮮血に塗れた少女の顔が歪んだ。 必死に力を振り絞り抵抗するが、妖魔たちはびくともしない。 「いやあああっ! それだけは、やめてえええっ!」 愛を育む聖域まで犯される恐怖と絶望に、セーラームーンの顔が悲痛に爆ぜた。戦いに敗れたときに自分がどのような目に遭わされるか、考えもしなかった。 尊厳も何もかも蹂躙される地獄など、想像もしなかった。 「きゃああああ――っ!」 股布が貫かれて血が滴る。妖魔の爪に粘膜やクリトリスを切り裂かれ、膣道を抉られて子宮まで串刺しにされる。痛々しく狂おしい絶叫が上がった。 処刑という名の破瓜の血液が滝のように流れ落ちる。愛も温かみもない性器への蹂躙に対し、痛みと屈辱に涙するしかない。 「……ああ……あ……」 しかし、目に涙を溜めながら、それでもセーラームーンは許しを乞うたりしない。星の守護を受ける戦士である以上、妖魔の攻撃に簡単には屈することはできないのだ。 「こいつどうするニャ? もう限界みたいニャ」 「もうちょっと遊んでから、始末するニャ!」 「いいアイデアだニャ! 私たちも嬉しいニャ! もっといじめてやるニャ!」 猫の妖魔たちはボロボロの彼女をズルズルと闇の中に引っ張っていく。 このままでは状況は悪化するばかりだ。 しかし敗れたセーラームーンにできることは最早、責め殺される恐怖と必死で戦いながら、きっと逆転のチャンスが来るという小さな希望を信じるしかない。 すぐに打ち砕かれるような、本当に微かな希望であっても。
BAD END
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