少女騎士が唇の隙間に糞を押し込まれ、下半身を切り刻まれて辱められている最中、両腕は決して遊んでいたわけではない。上下に分離した骸骨の責めから逃れようと暴れているつもりだが、動かすことができないのである。しかし、自分の汚物を食わされたショックや性器を弄られる辱めで動転した少女の精神が、手の不自由に気付くのには少々の時間が必要だった。 (どうして、手が動かないの……ま、まさか、これは、そんな……) 「うぐううっ、ううっ、うむううう!」 顔中を糞で汚されながら苦しげに呻く少女騎士。下半身では筋を断たれて動かない股が易々と開かれ、骸骨の指が穢れを知らない肉裂の内側で動いていた。敏感な肉器を刺激される快感と痛みが混じり、下腹の疼きが増して愛液の涙を伝わせる。いかに心身を鍛え上げた騎士の少女といえど、肉体の反射的な反応まで制御することはできない。 「うううううっ! ううううううううう!」 喉に流れ込む大便味の唾液が、逆流する胃液に押し戻された。少女騎士と言えど人間である。性器を弄られて濡れるのと同様、唾液を飲み込む行為を我慢するのは不可能だった。口内に広がる汚物の塊は否応無しに胃まで零れ落ち、口から食道に至るまでを大腸菌で汚染していく。 (手が動かない……怪我はしていないし……原因はあれしか考えられない……) 上下の口で汚辱を受ける少女騎士から希望の灯がますます小さくなり、絶望の暗い影がいっそう濃くなる。手が動かない原因はもう確定してるが、それを受け入れることは人間としての尊厳を本当に捨てることになるのだ。 「うう……ぐう……ううう……ぐううう!?」 騎士の少女の顔が骸骨の足に嬲られている前で、甲冑に覆われた腕に異変が起きていた。剥がれた爪の痕から指が壊死して膿汁が垂れ落ち、手の肉が腐敗してズルズル崩れていくのだ。 装甲の隙間から溶けた肉汁が染みて泥に広がり、甲冑に残った少女の白骨の腕がわきわきと空気を掻き始める。指の動きは昆虫の足のように躍動的で、それは少女騎士を襲う骸骨の動きそのものだった。 切り刻まれた両足も同様で、人間が着ている服を脱ぐように、少女騎士の白骨の足が血塗れの肉を破って外に飛び出してきた。骸骨に弄られている性器のすぐ近くまで肉が裂けて内の骨が暴れ、まるで意思を持つかのように動き始める。血飛沫が舞い、肉の欠片が近い壁に叩きつけられた。 (アンデッド化だわ……間違いない……) 手足に痛みを全く感じないのが、何よりの証拠だった。 アンデッドに傷つけられた者は低い確率でアンデッド化してしまう。彷徨い歩く腐った死体に噛まれた者が同じ怪物に変わるように、歩く骸骨に傷つけられた者は低い確率で歩く骸骨に変化してしまう。 アンデッド化は最も生命の源から遠い手足の指先から現れるという。極寒の雪山では、血液が循環し難い手足の指先から凍傷が発症する。同様にアンデッド化もまた手足の指先から身体の心の臓に向けて進行するという。 (……助けて……誰か……!) 心の中で叫びながらも、少女騎士に危機から脱出できる選択肢は無い。白骨化した手足は制御不可能の怪物と化して好き勝手に動いている。長年修練を積んできた剣術も、男の騎士顔負けの腕力も、手足が白骨化すると同時に少女から永遠に失われてしまった。 可憐な少女騎士も手足が骸骨に変われば、滑稽な見世物小屋の豚に化ける。糞塗れの顔で泣く姿は人間の顔ではない。白骨化した手足を子供のようにバタつかせている姿は、既に人間より魔物に近かった。 「ひゃああああ! ひゃめへえ! ひゃすけて! ひゃめひぇ!」 言葉にならない悲鳴を無視して、骸骨化した手足が勝手に身体を立たせていく。乱れた銀髪を振り乱して顔から血と大便を垂らしながら、少女騎士は直立不動にされた。自分の自由を縛るのは、白骨の魔物と化した自分の手足。自分の手足が、自分を完全に魔物に変えるため、自分を殺そうとしていた。 「ふぐう!? ひゃあああ、ひゃにひゅひゅの!?」 白銀の甲冑から伸びた骨の両手が、少女騎士の唇を無理矢理こじ開けていく。骨の指に開かれる肉門から流れるのは血と涎、目から零れるのは一生分と思える大量の涙だった。血豆ができるまで剣を振り続け、限界まで魔法の特訓をした自分の腕が、今や裏切って魔物と化し、自分を苦しめているのである。 骸骨の地獄はどこまで自分を苦しめるのか、それすら理解できずに涙だけが伝い落ちる。やはり責め苦は終わってはいなかった。上半身の骸骨が少女騎士の糞塗れの甲冑の凹凸を駆け上がり、汚物の塊と化して脱ぎ捨てられていた下着を口の中に押し込んできたのだ。 「ふぐうううっ!? うーううー! ぐうううーうーうー!」 騎士の少女は抵抗もできなかった。唇を無理矢理開かせているのは自分の腕であり、仰け反ろうとする身体を支えるのは自分の足。逃げることも拒むこともできず、自分の糞塗れの下着を口に捻じ込まれて悶絶した。自分の腸汁と液便の刺激臭に酔い、舌が唾液と便を絡まるや嘔吐感が胃からせりあがる。 (苦しい、息が、できない……吐き出せない! 吐き出せない……!) 新鮮な糞と唾液が顎に垂れ落ち、顎が外れんばかりに開いた口が下着と汚物で飽和する。苦しむ少女騎士の口に上半身の骸骨は下着を捻じ込み続け、彼女の両腕が漏れた糞山をすくっては目や耳に塗り込んだ。4本の骨の手が顔中を撫ぜて糞化粧を施し、美しい銀髪も便でドロドロに固められて浮浪者のように変わる。 「ぐう……あああ……がああ……」 耳を埋めた大便に、眼球に擦り込まれた大便に、鼻に詰まった大便に、舌に染み込んだ大便に、視覚も、聴覚も、嗅覚も、味覚も奪われた。アンデッド化により触覚さえも失われた。顔から流れた体液と汚物の汁は白銀の甲冑に無数の有色の川を作り、性器からは精神の決壊と連動するように小水がシャワーのように漏れている。汚物塗れの下着が完全に喉を塞ぎ、呼吸もできない。 口に汚物と下着を押し込まれて脱力した少女騎士を覚醒させようと、骸骨の上半身が拳を握り締めて糞塗れの頬を横殴りにする。顔を襲う衝撃に少女の身体は傾き、白銀の甲冑が音を上げた。 しかし、少女騎士はもう覚醒することができなかった。彼女の肉体と精神は既に限界を超えており、後は緩やかに朽ちていくだけの状態だった。 骸骨の正体に気付くチャンスはいくらでもあった。冷静に考えれば、一週間毎に見回りしている洞窟に白骨死体があるわけがない。なぜなら、人間の死体は一週間では腐敗こそすれ白骨化はしないからである。魔法の痕跡も無く、近くに肉を食べる生物がいないならば、完全な白骨死体が存在する理由には当然アンデッド化も考えられた。それを思いつけなかった後悔が、少女騎士の人間としての最後の感情だった。 光魔法の効果が完全に消え、洞窟の中は暗黒が満ちた。光の無い世界で、騎士の少女の顔を骸骨は力任せに殴り続ける。もっと苦しめてやるためには、獲物に意識がなくてはならない。死んでいく少女を叩き起こそうと拳が振り下ろされ、頬が破れ、肉が散り、血が飛ぶ音が延々と闇の中に響いていた。 少女騎士が骸骨の仲間として動き始めるまで、それは続いた。
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明後日、行方不明になった親しい先輩騎士を探して、王宮女神騎士団に入隊したばかりの、とある新人の少女騎士が1人――2体の骸骨が待ち受けるこの洞窟に足を踏み入れて悲愴な最後を遂げることになるが、それはまた別の話。
BADEND
『とある少女騎士の話2』 1 2 3 4 5
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