薬座!
少女戦士が痛めつけられ、陵辱、捕食、グロ拷問されるリョナ小説。
09 | 2008/10 | 11
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

『救世主ミリルのお仕事』 1-2「正義の味方が立つ」

「この子は『フライングキラー』。私の可愛らしい仲間である」
 黄金仮面は少女戦士たちに怯えることなく飄々としている。楽しんで役割を演じているかのように肉食の肉塊を指した。
「ちなみに、名前はとあるパニック映画のタイトルから付けてみた。とても似合うでしょう」
「キャメロンの黒歴史とは相変わらず悪趣味です」
「黒歴史ではなく原点よ。低予算のエンターテイメント」
 怪人はマントをはためかせて三日月の仮面を揺らす。
「あのB級の魅惑を理解できるかしら?」
「変な映画好きなくせに、市内唯一の映画館をあっさり破壊するのね」
 沙織の一言に黄金仮面は声を上げて嗤う。
「映画好きなら映画館を破壊しない。それほど私たちは単純な生物ではないわ。沙織ちゃんはどう。世界は好きなものを破壊して喜ぶ人間で一杯よ?」
「そんなことは知らないし、知りたくもないわ」

「それは残念」
 黄金仮面は、空気に溶けるように消えていく。幽霊のように、蜃気楼のように、煙のように、まるで最初から存在さえしていないかのように黒いマントが透けて背景が見え始め、そして背筋が粟立つような声で――。
「食われてしまいなさい」
 それは誰が聞いても意味が理解できる恐るべき宣戦布告。美奈子と沙織の表情から余裕が消え、その奥から現れたのは紛れもない戦士の顔。2人の少女戦士は武器を構え直して怪物を睨む。
 黄金仮面が跡形も無く消え去り、それを合図に肉塊が大きな翼を左右に広げた。轟音そして衝撃。怪物の離地で屋上が震え、落ちていた塵が踊るように浮き暴れて放射状に広がる。
「ゲエエエエエエエエ!」
 大口から舌と牙を剥き出しにして、怪供物は給水タンクに突撃していく。しかし沙織と美奈子は焦る様子もなく怪物の動きを追跡し、バトンと短剣を構えるや怪物めがけて同時に跳躍した。
 怪物は2つの獲物を品定めするように一瞬だけ減速したが、沙織に向けてすぐに再加速する。万有引力の法則に従い自由落下を続ける沙織に対し、空中での機動性を確保できる翼が有利に働くのは間違いない。
「美奈子より美味しそうに見えた?」
 沙織は牙だらけの大口が近づくのを見つめ、武器を持つ手に力を込めた。バトンは一瞬で長槍のリーチに伸び変わり、怪物の両翼を左右に切り飛ばす。
「ゲエエエエエエッ!」
 切断された翼と屋上に墜落する怪物をバックに、沙織はくるりと一回転して音もなく着地する。まるで体重が無いかのような柔らかいインパクトに、スカートがふわりと静かに泳いで元に戻る。
「沙織さん……格好いい」
 マスクの下でぽっと顔を赤らめる美奈子。
「あっ! 沙織さん、後ろ!」
 転がっていた怪物が跳ね動き、茶色に濁った液体を水鉄砲のように口から吹き出した。びちゃびちゃびちゃ!と汚い音を立てて体液が広がり、肉を焼くような音を立てて化学反応を起こす。辛うじて飛び退いた沙織の前で、体液に侵された屋上のコンクリートが綿飴のようにとろけて陥没していった。
(これが直撃すれば無事では済まないかも……)
 じゅうじゅうと溶けていく屋上を見て、沙織の顔に動揺が走った。
 クリスタルが彼女たちに与えてくれるアーマーは身近な金属装甲より遥かに頑強であるが、完全無敵というわけではない。怪物の攻撃を食らえば相応の衝撃を生身にも受け、当然のことながら肌からは出血もするし腫れもする。
 それでも生半可な攻撃なら跳ね返せるのだが、コンクリートを一瞬で溶かす液体を浴びて無事でいられるかは判断できない。コンクリートの正確な強さなど沙織は知らないが、あらゆる建築物で使用されている以上、一瞬でどうにかなる脆いモノのはずがない。
(無闇に接近するのは危険かもしれない。もう少し距離を置いて……)
「沙織さんに何てことするんだっ! この不細工ミートボールバカ!」
 しかし、全てを言う前に美奈子は全力疾走していた。
 例えるなら猪突とでも言うべきその行動に沙織の言葉にならない悲鳴が聞こえたが、それさえも美奈子の怒りを増幅させるだけだった。怪物は美奈子に酸を浴びせようと口を窄める。瞬間に美奈子は怪物の真正面にいて、さらに怪物の横に足を踏み込んで剣を放り投げ、
「てぇぇぇぇいっ!」
「グ゙エ゙エ゙エ゙――っ!」
 風船が割れるように怪物は爆ぜて吹き飛んだ。物理的に耐えれる以上の衝撃を受けて破裂したのである。パンチというのは極めて直接的な方法だが、大抵の敵には効く手段であることを美奈子も沙織も知っている。
「くっ……けっこう、被っちゃいました……」
 怪物を倒したものの返り血を全身に浴びた美奈子から大量の白煙が吹き上がる。焼ける音に煮える音を混ぜた擬音は、彼女の全身を守るアーマーが酸に侵食されている証拠だ。
「美奈子、お願いだから無茶はしないで」
「大丈夫です。それより、沙織さんもお疲れですし、早く後片付けをして退きましょう。怪物はバラバラですから集めるのは骨ですけど、血抜きの手間が省けます」

 人間を喰らう怪物と戦う正義の少女戦士たちがすることは、戦闘に勝利するだけではない。現実では『怪物の死骸』が存在するだけでパニックになるのである。戦闘に勝利した後は、自分たちが殺した怪物の死骸を処理する。
 怪物の死骸は粉々になるまでバトンと剣で切り刻み、市内を流れる一級河川に橋の上から撒く。厳密には怪物の死骸を砕いて河川に撒くことは違法行為になるかもしれないが、直接的な戦闘能力以外に異能のない彼女たちの限界がある。巨大な死骸の処分は過酷な作業であり、しかも早く終えなければならない以上、近くの川に捨てる以外に方法がない。

 …………………
 ………

 大型スーパーの進出で寂れた商店街を2人の少女が歩いていた。沙織と美奈子である。沙織は静かに一定のペースで歩いており、美奈子は沙織に合わせてゆっくり歩を進めていた。
「今日も色々と疲れましたね。沙織さん」
「ええ、早く帰って休みたい。でも今日の怪物が夢に出てきそう」
「夢の中でも、私は沙織さんと共に戦いますよ」
 疲労を隠せない顔をお互いに見つめて、それぞれ苦笑する。戦闘の後始末を終えた彼女たちは白骨死体があることを警察に通報してそのまま場を離れた。
 人間の白骨死体の発見、そして屋上のコンクリの溶解、戦場と化したビル屋上には隠しきれない痕跡が無数に残されており、異常事件発生の情報を得たマスコミも集まりつつある。

 しかし、事件の内容が内容だけに報道されるかは分からない。数時間前まで元気に生きていた少女が白骨化して発見されたというのは世論に影響を与えるには十分なインパクトがある。そのまま電波に乗せることができるかだろうか。
 実際、これまで黄金仮面が起こした公園カップル惨殺事件、幼稚園バスぬるぬる事件、映画館破壊事件などもほとんど報道されていない。それには少女戦士たちとは別の力学が働いていると見るのが自然だ。

「今日も勝ちましたけど、黄金仮面には逃げられてしまいましたね」
「ええ、次は必ずあいつを捕らえないと。でも、美奈子だけでできるかもね」
 寂しげに微笑む沙織に対して、美奈子はなぜ沙織がそんなことを言うのか理解できずに首を傾げる。実際の戦闘では美奈子が前衛で沙織がサポートする形なのだが、美奈子は自分を沙織の指揮で動く駒だと考えている。
「沙織さんがいっしょに戦ってくれるから、私だって怖い怪物と戦えるんです。沙織さんがいないと、私なんてダメダメですよ」
 美奈子が沙織に返してくれるのは、純粋な尊敬と憧れの眼差しである。確かに沙織には他人に軽蔑される生き方をしていない自負がある。しかし、自分が美奈子の期待に応えられるのか不安になる。
 純粋な憧れの眼差しは時に心に痛い。
 二人は手を繋ぎながら、喧騒から遠ざかるように歩いていく。少女たちの懐にはきらりと光る赤と青のクリスタル。ある日、少女たちの目の前に突然舞い降りてきた子の魔法の石には、この都市に出現した怪物を察知できるセンサーの役割もある。
 どうしてこのような能力があるのか、また、どうしてこのような不思議な石が存在するのかは分からない。しかし、現実として能力は彼女たちに備わった。確かなのは、なぜ沙織と美奈子が石に選ばれたのかということだ。
 それは、彼女たちが怪物に対して正確に脅威を理解できる勇気と理性を持ち、両親や友人を守るために戦える正義感と優しさを持ち合わせているからだ。
 身近にいる大切な人々を、そして襲われている人々を救うために戦士になることを決めた少女たちは、お互いの初陣の戦場にて出会った。

 そして少女たちはお互いに惹き合い、惹かれ合い、友人として、そして相棒としての同じ時間を過ごすようになった。

 怪人、法律、正義、秩序。
 平和に思えるその都市で少女たちの戦いは続く。



序章
『救世主ミリルのお仕事』 第1章 −ナイトガールズ事件−
1-1「悪の怪人は嗤う」
1-2「正義の味方が立つ」(現在ページ)
1-3「日常、平穏、暗雲」
1-4「来訪、粛清、決戦」
1-5「刺客、泥人、乱戦」
1-6「暗黒、敗北、蹂躙」
1-7「そして事件に幕」

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://ryonass.blog42.fc2.com/tb.php/32-bd356c70
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

管理人紹介

Author:N
*― ―) 暇人のSS書き。華麗に武装した少女戦士や魔法少女の敗北萌え、陵辱萌え、拷問萌え。好きなシチュは汚されてドロドロ、小さいものウジャウジャ、囲まれてボコボコ、動けない、脱出できない、終わらない。
 好きな作品は最近は学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド。お気に入りは、うみねこシリーズ、舞Himeシリーズ、ネギま!、セーラームーン、封神演義等。

カテゴリー

コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

来訪者