正享17年、義務教育の内容について大規模な改革が行われた。農業や漁業などの実習、経済学や基礎法学などがカリキュラムに組み込まれた新教育制度は義務教育15年(小学6年、中学6年、高校3年)に変更された。改革当時の文部科学省の雉島大臣は教科書に載るほどだが(未だに現役の政治家というか現総理大臣である)、学生たちの評判は様々である。 「あー、熱っちー。マジで死にそうだよ。誰か代わってくれないかな……」 天気は快晴で絶好の農作業日和だった。頬からは体液が瀧のように伝い落ちていく。濡れた額を手の甲で拭うと体液が手にこびりつき、陽光を反射してギラギラ光っていた。あまりにも体液の量が多いので、首に巻いた無地の黒いタオルで軽く顔を拭う。 炎天下が照り付ける夏の一日、暑さには寒さよりは耐えられるとはいえ、やはり苦痛には違いなかった。地球の地軸の陰謀に違いない。肉体と空気の温度差に耐えながらデジタルカメラで写真を撮ってピーマンを収穫する作業は最早ルーチンワークの拷問に近い。 [READ MORE...]
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